こんにちは、いつか喫茶店を開きたい しがない会社員のぱん子です。
今回の記事では、薬剤師として働いてきた経験を生かして、漢方薬の上手な飲み方についていろいろ触れていこうと思います。
漢方薬の味が独特で、飲むのが大変と感じているあなたに読んでほしい記事です。
漢方薬はなぜ不味いのか。
漢方薬は複数の生薬が合わさって作られます。生薬は、植物、鉱物、動物由来のもの等、実にさまざまです。
原料になる生薬によって甘いものや苦いもの、渋いもの、辛いもの、エグ味のあるものなどたくさんあって、それらが混ざっている割合で、漢方薬の味が決まります。甘い生薬がたくさん入っていると比較的飲みやすいです。まずいけど、まだ飲める味ってことです。甘い生薬の代表は甘草(カンゾウ)。甘草の甘さは砂糖の150〜200倍といわれます。生薬の膠飴(コウイ)は文字通り飴(あめ)なので甘いです。他にも大棗(タイソウ)、小麦(ショウバク)、粳米(コウベイ)などにもわずかな甘みがあります。
また、医薬品メーカーごとに薬の製法が異なり、飲みやすく工夫された漢方薬もあります。
なので、同じ漢方薬であっても、メーカーが違うと味が変わるということはよくあります。
まずい味を感じなくするための一番オススメの方法
「オブラートに包む」って言葉を聞いたことがある人は多そうですが、実際にオブラートを使ったことがある人はそんなにいないのではないでしょうか。
漢方薬を飲みやすくするために、まさしく「オブラート」がオススメです!
ネットやドラッグストアで簡単に手に入ります。
私自身、実際に使ってみるまではオブラートのことなめてました。紙に包んで飲むようなものだと思っていたので意味がないと勘違いしていた頃がありました。
オブラートは見た目はペラペラの紙のようですが、水につけるとゼリーのようになります。
〜手順〜
①オブラートに漢方薬を包み、ねじって口をふさぎます。
②それを水によくひたします。(ゲル化)
③口に入れて飲み込みます。
あら不思議、味がしない。
ただ、大きさ的に、小さなお子さんの場合はちょっと飲み込むのが大変かもしれないので、紙状のオブラートではなく、甘味のついたゼリータイプのオブラートの方が飲みやすいかもしれません。ゼリータイプの場合はチョコレート味やココア味など味の主張が強いものがオススメです。
漢方薬を飲みやすくする工夫
オブラート以外にもいろいろ工夫できることがあるので紹介します。
①錠剤にする
粉の漢方薬が飲みにくい方は錠剤バージョンを試してみてください。種類によっては錠剤が販売されていないものもありますが、粉に比べて断然飲みやすいです。独特のにおいがすることに変わりはありませんが、「ごっくん」とすぐに飲み込めば味は一瞬です。
ただの錠剤(素錠)よりも、フィルムコーティング錠剤や糖衣錠のほうがより味を隠してくれるので飲みやすいです。
②お湯に溶かす
漢方の種類によっては錠剤が存在しない場合もあります。粉タイプだと飲みにくい方はお湯に溶かして飲む方法を試してみてください。お湯がぬるいと溶けにくいので、お湯を沸騰させて、粉の漢方薬を溶かした後に、飲める程度の温度に冷ますのがおすすめです。癖の強い味のお茶だと思えばまだ飲みやすくなるんじゃないかと。お湯の量は50〜150mlくらい。アバウトですが、一度に飲める量のお湯であれば問題ありません。
お湯に溶かす方法は同時に体を温めてくれます。冷え解消、発汗促進して漢方薬の作用をサポートしてくれるので一石二鳥です。
③違うメーカーに変える
同じ漢方薬であっても、医薬品メーカーが異なれば味や飲み心地が変わるということはよくあります。ひいき目かもしれませんが市販のクラシエの漢方は飲みやすいのが多いなあと感じます。
市販の漢方薬の話になりますが、葛根湯がいろいろ売っている中で、一番安いよくわからない聞いたこともないメーカーの葛根湯を買ったことがあります。それが飲みにくくて。喉にひっかかってザラザラするというか。とにかく飲み込みにくい!ということがありました。でも、クラシエの葛根湯に変えたらのどに引っかかる感じがなくスムーズに飲めました。
④なるべく舌を使わないで飲む
味覚を感じるのは舌です。薬が舌に当たらないように飲めば味がしないはずです(でもそんな器用なこと簡単にできません)せめて、舌に触れる時間を短くしてみるのはどうでしょう。躊躇せずに、一気に飲み込む!誤嚥に注意してくださいね。
⑤冷やして感覚を鈍らせる
例えば、アイスクリームに混ぜて飲むのはどうでしょう。バニラよりもチョコレートアイスの方がより漢方の味が隠れる点で良いです。舌先が冷たくなり、味覚が鈍って味を感じにくくなります。自我を持ち始めて、薬を拒否するお子さんに一度試してみてください。
⑥鼻をつまんで飲み込む
味どうこうよりも、漢方の独特のにおいがダメで飲めない場合は、においを感じないようにしたら飲みやすいかもしれません。くれぐれも、誤嚥したり喉に詰まらせないように注意してください。
その漢方は体に合っていますか?
漢方薬は風邪などの急性期症状に一時的に飲むものもあれば、体質改善の目的で長期的に飲むものもあります。
漢方の世界でよく言われていることなのですが、体質に合っている漢方薬は味が飲みやすく感じる傾向があります。
全く同じ漢方薬に対して、甘くて飲みやすいと感じる人と、辛くて飲みにくいと感じる人がいたりします。(独特の味がすることに変わりはありませんが。)
もし、特定の漢方薬の味がダメで、飲んでいても症状がよくならない、あるいは症状が悪くなるという場合は、体質に合っていない可能性も頭にいれておくといいでしょう。
最後に
いかがでしたか。私は漢方が好きで、その時の体調によっていろいろな漢方を飲み分けています。
そうすると、飲みやすい漢方、苦すぎて飲みにくい漢方、種類によって全然違うなあと実感します。
この記事が漢方の味に困っている人の助けになっていれば幸いです^^